大学にいた時に、クーラーもなく暑いから、みんなで鍾乳洞に行こうということになりました、と思って下さい。無謀な1人がゴリ押ししただけなのですから。
懐中電灯を持って、私たちは、数時間後、とある日原鍾乳洞に着きました。中に入ると、いかにも霊がいそうな悪寒が私たちを襲いました。全員が何気なく後ろを振り向きましたが、白い影がふわふわと浮いているだけでした(うそです)。鍾乳洞は寒いものです!
途中から観光道をそれて、横穴に入ってみると、細いがずっと続いているように思いました。これが、日頃の悪行の呪いであることを知る者はいませんでした。
そんなに進んでいないのに、思いもよらず、洞窟が通れないほど狭くなっていました。みんなで代わる代わる突破しようとしましたが、無理でした。これが、怨霊の仕業であることはあと数10分たてば分かるのです。私たちは仕方がないので戻ることにしました。
運よく10分ほどでバスが来ました。私たちはバスに乘ろうとしましたが、「泥だらけの人は乗せない」と乗車拒否されました。私たちははっとして、お互いの姿を見ました。多分怨霊のせいでしょうが、バスの運転手の言う通り、不思議なことに私たちは泥だらけになっていました。
駅まで2~3時間かかったことを覚えています。
奥多摩は怨霊がはびこる、深山幽谷の地です。