それは、何年前のことであったのかよく覚えていないが11月か12月のことであった。
私は車に女の子を3人乗せて見晴らしの良い田舎の広い道を走っていた。別にハーレムを作ろうとしていたわけではない。俺はそんなことはしない。たぶんしないと思う。しないんじゃないかな。まあちょっと覚悟はしておけ。
ということで、選手を連れてバスケットの試合に行く途中だったのだ。選手を乗せていたので制限速度などの交通法規を守っていたが、別に選手を乗せていなくてもいつでも守っていた。他の選手は2人の顧問の先生の車に分乗していた。
目的の体育館まであと数キロというところだった。私は急なカーブを制限速度の半分位のスピードで曲がった。そのとき、1台の軽ワゴン車が右側の農道から、私の走っていた道を横断しようとしていたらしいのだが、停止線で止まったのが見えたので、私は制限速度までスピードを上げた、ところで何故かわからんが停止線で止まっていた車が飛び出して来て、私の車の横にぶつかった。飛び出してきたのを確認できたのが数m前だった(広い道といっても片側1車線)
私の車は軽かったので、1.5m程下にある耕したばかりの畑にダイビングして止まった。頭と肩を打った。選手もどこか打ったようである。
当然、私は怒る。
選手を車に残して、車から出て相手の車に近づいたら、お婆さんが顔を出して「すいません。すいません。」と言ったが、許せるわけがないと思った。のだが、お婆さんの顔が血だらけだったので、驚いてしまった。車を動かしたいがエンジンがかからないと言ったので車の後ろを押して脇道に入れた。それから、とりあえず警察と救急車を呼んだが、お婆さんが家に連絡したいと言ったので携帯を貸してあげたらすぐに長男という体格のいい男がやってきた。まあ体格では私も負けていないのでどういうこともなく、相手は誤っていた。警察が来て救急車が来て、車屋さんに電話して私の車を引き揚げてもらった。シャフトが全部折れているということであったが、私は車に疎いのでよくわからなかった。
選手と一緒に病院に連れて行かれて検査をしたが、別にどうということはなかった。しかし医者はしばらく通院しろと言った。それは、私の身体の心配をしてのことであり、決して自賠責保険を限度額まで使おうとしてのことではないだろう。
後日、現場に行ってみたところ、車が飛び出したのは3m程の隙間で左側は農道に沿った土手と用水路、右側は電柱であった。あぶなかったなあ。もう少し左なら土手から用水路かまあほとんど水がないから溺死ということはないが、土手で横転して入院か。右は電柱なので、下手すりゃ死ぬなあ。と思った次第である。おかげでハーレムの話は露と消えたのであった。
ここで教訓とすることは、医者が妙に治療期間を長びかせるのには何か目的があるかも知れないということである。だから、痛くないと言ってるのに。
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